二次元に逝く

サブカル関係について

二次元に逝く:第10回「白なのか黒なのか...異色のポケモン」ポケットモンスターBW Netflix

まだ俺がガキの頃に親に連れられて親の実家に行くのですが,そのために船に乗って帰省をするのです。何時間も乗るため,退屈でしょうがないのです。知り合いも遊ぶ人もいないのでやることもなく,持ってきた小説や漫画も飽きてやめてしまうため本当にやることがないのです。子供にとって退屈な船上は懲罰房のようなもの。

そんな状況を打開してくれたのがゲームでした。今となってはNetflixYouTube,ソシャゲも追いかけられないほどのコンテンツに溢れていますが,当時はインターネットやスマホもないので子供が1人で遊ぶ娯楽といえばゲームしか考えられなかった為,携帯ゲーム機というのはとてもありがたかったです。そこで遊んでいたのはポケモンでした。さて・・与太話もこれくらいにして。

 

真実の白か理想の黒か・・・

さてさて、皆さん「ポケットモンスターブラック・ホワイト」「ブラック2・ホワイト2」を遊んだことはあるでしょうか?シリーズ第5世代でファンの中では暗黒期と呼ばれ,黒歴史となってしまってる作品なのですが,それは対戦を主としている一部のマニア層からであり展開・シナリオはシリーズ屈指の出来でありキャッチコピーが「このゲームによって、『ポケットモンスター』は革新的に生まれ変わる」と言うのも伊達じゃなくポケモンシリーズを大きく変えた世代となっています。大きく変えたといっても第第4世代(ダイヤモンド・パールハートゴールドソウルシルバー)と6世代(X・Y~オメガルビーアルファサファイア)の影に隠れてそんなに印象深くない不遇の世代なんですけどね...。なぜ不遇なのかは後で説明します。

は,第4世代と呼ばれるダイヤモンド・パールの時期にポケモンを始めました。ポケモンの世代で第4世代と言えば,ポケモン人口の数で言えば上位に入り,どの世代と比べても活動的な世代(まさゆき調べ)で恵まれた時代だったのです。

どの位,人気だったのかと言うと友達やクラスメイトに不良までもがダイパを遊んでいて,ポケモンの話題になると「ポケモンなにやった?俺ダイパ。俺もダイパ!」ってなるぐらい人気で今でもダイパリメイク勢が多く,期待値が二段階上昇してる栄光と繁栄の第4世代なのですが,実は僕は第3世代のファイアレッドリーフグリーン(FRLG)から入ったので実際はファイアレッドリーフグリーン世代なんです。ですがちゃんと殿堂入りしたのはDPなんですよね,なんとややこしい。ファイアレッドは四天王戦までカメックスを主軸とした典型的なクソガキコマンドー戦術だったため,カメックスだけレベルが87で残りのポケモンが平均20~30でしかもその30というのがナナシマで手に入るロリコンのスリーパーのみといった構成されており貧弱すぎる編成で一目見ただけで「あっこれ小学生じゃん」とわかるような手持ち。「こんな手持ちで大丈夫か?大丈夫だ問題ない。アァーーー!!」といった感じで四天王のワタルで毎回返り討ちされる始末。そんなわけで詰んだカントーにさよならバイバイしたところでダイパが発売。そんなわけで俺は第4世代だ。とサバを読むようになりましたとさ。。。

そんなポケモンと共に育った私なんですが一番思い入れのあるシリーズはBWなんですね。これは大好きだったポケモン情報番組「ポケモンサンデー」と「ポケモンスマッシュ」がBWまでだったに加えて上記に書いた通りの展開とシナリオが独特なのが刺さったのでBWが好きなんですよね。ポケモンゲットTV,貴様のことは忘れない。。。。

ゲームフリークの英断

このポケモンBW・BW2の特徴はなんと言ってもポケモンの一新なんですね,その数なんと156匹!この数は初代の151匹をより多くドット最後のゲーフリの気合はいってますな。しかも殿堂入りをするまでは,今までの慣れ親しんだ過去作のポケモンは一切登場せず捕まえることのできないため「未知のポケモンでパーティーを組み旅をする」といった新鮮な体験が出来るようになっています。これまでのポケモンの弱点であったプレイヤーの年齢が上がるごとにポケモン離れをしていくという弱点を克服するためにシリアス寄りのストーリーが盛り込まれており初心者でもポケモンをガッツリ楽しめる作品となっておりバランス調整の塩梅がいい感じ効いてます。

ポケモンBW公式サイトより https://www.pokemon.co.jp/series/bw/

今作の敵が「人間からポケモンを開放すべき」と思想を掲げるプラズマ団。今までの敵組織とは違い新興宗教のカルト集団のような組織で街の人々に「ポケモンを人間の支配から解放しなければならない」演説したり,目的がN自身が神話の登場する伝説のポケモンゼクロム・レシラム(作品によって違う)を手に入れ「英雄」になり,人々に自主的にポケモンを手放させようとしていると作品を通して宗教染みており,この宗教的な部分とシリーズのテーマである「多様性」がうまく結びついています。このプラズマ団は歴代シリーズ1,2を争うほど過激な組織なんですよ。ポケモンを自由にするためにという思想を掲げているのですが,そのためには善良な市民からポケモンを巻き上げたり目的のためならば平気で暴力を振るったりと実態は極悪非道なのです。

他にも今作は,今までの悪の組織とは違って積極的に四天王やジムリーダーなどと言ったポケモンリーグ関係者達に明確な対立姿勢を見せ,主人公に対して組織側から直接的な干渉していった初めてで当時プレイした時は「こ、こいつら根っから悪だ・・・」とビビりました。科学力も凄まじくポケモンセンターのパソコンのシステムにも侵入しており,その気になればいつでもポケモンを逃せるというポケモンシリーズ屈指の科学力が持ち,なおかつ,ロケット団やギンガ団の失敗点を分析を行い,準備が整うまで地下に潜り,着々とポケモンリーグを取り囲むように城を建造するなど戦略面でも狡猾で敵ながら優秀なんですよね・・・。

ポケモンの”はい””いいえ”というシステムの為,敵に一方的に言い負かされぐうの音も出ないから武力で叩き伏せるといった風に見えてしまって「多様性」のぶつかりあいの行末は暴力と言うゲーフリによる風刺にも捉えることができなくもない・・・いや、そんなことないですよね!ですが日本ゲームにありがちの「はい」「いいえ」が足を引っ張ってしまった感は否めません、、、ですが!ストーリーの完成度は高くその欠点を除いたとしても楽しめる作品なのでポケモン剣盾をクリアした後,BWをプレイすることをおすすめします。

ライバルも生きている。

個人的にオススメなのは,幼馴染のチェレンとベルが成長するところです。今作では主要キャラクター達が人間味溢れているんです。今までのポケモンでは普段なにをしているのかわからず,旅先で度々バトルを挑んでくるだけの中ボス的な扱いですが,今作ではストーリーが進むごとに成長していく所がグッときました。

ポケモンBW公式サイトより https://www.pokemon.co.jp/series/bw

強さこそすべて,勝利を追い求める理想

チェレンは「強さがすべて」と勝利に固執しており,チャンピオンを倒す事によって自分の生きた証を残そうとしているのですが,旅をしていく内にさまざまな人達と出会いを通じて本当の強さとはなにかと心境に変化が現れ,物語終盤では自分の強さと弱さを受け入れ「チャンピオンや主人公になにか会った時、助けられるようになるために強くなる」と本当の強さを見出していく。突然の襲撃に定評があり,シナリオ上では7回戦う事になるのですが,今までのポケモンとは違って,これにベルを加えて二人分,Nを加えたら3人分とライバル戦のボリュームもあり,うっかり回復を怠ると後ろから刺されるということにも成りかねません。

なによりこの私もチェレンの襲撃で財産の半分をぶんどられました。まるで「北斗の拳」や「マッドマックス」のような,海は枯れ,地は裂け,あらゆる生命体は息絶えた世紀末の世界で,革ジャンを来たモヒカンがヒャッハーッ!!するゲームだっけ?あれ?ひょっとして,これから戦う四天王も「シン」カーネル「レイ」「ユダ」でチャンピオンも「サウザー」なのでは!?まさか【愛ゆえに人は苦しまねばならぬ!! 愛ゆえに人は悲しまねばならぬ!!】と第三の勢力として君臨してポケモンリーグに南斗十字陵を建設,アデクに石碑を頂上に運ばせるのでは・・・・!?とワクワクしたのですが,チャレンは二度刺す。奴はターバンのガキの如く同じ道,同じタイミングで襲撃してきましたが,僅差で勝利,返り討ちにしたのですが,奴は俺から4万近く奪ったのにも関わらす,賞金は9000円。どう考えても計算が合わない。この世界では勝者は敗者から所持金の半分を手に入れるのでは無いのか・・・。と思いつつもこれが現実だよなと諦め先に進みました(現実は非情である)

真っ白な真実,目的を探す少女

ベルは同じタイミングで旅に出ますが,チェレンと違い,旅立ちの始めた時はまだ明確な目標が定まっておらず,さらに父親から旅を反対されており,それを押し切っての出発となった。カノコタウンから出て始めてポケモントレーナーとして初めて1番道路に踏み出す時には「トレーナーとしての一歩は一緒に踏み出そう」と提案するなど友達を大切にしている。旅を始め,彼女との最初のイベントは,サンヨウシティの近くにある夢の跡地にてプラズマ団に襲われるムンナを救うというもので,その時に放った「やめたげてよお!」は,ポケモンシリーズ屈指の迷ゼリフとして本人共々ネタにされ続けており,ちょっと残念なヒロインです・・・。そういう所もかわいいですが!そんな経緯もあってか,ムンナを手持ちに加わるのですが,またもプラズマ団に奪われるという,まさかの二段構えとなっており出だしから不遇なんですね。そんな彼女も家を飛び出した家出少女。連れ戻されそうになりますが,ジムリーダーカミツレの後押し,そして自分で決意した強い意思で説得することに。しかし,4度目のバトルの際,すでにジムバッジを手に入れている主人公に対して,感心すると同時にトレーナーとして常に先に行く主人公,チェレンに対して自分のトレーナーとしての実力に劣等感に苛まれてしまう。そんな中でも懸命にもがき自分に出来ることを探すため,旅を続ける。そして,Nとの対決に向かう主人公に対して,何もできない自分に不甲斐なく感じながらも,チェレンと共に送り出す。

ベルは,チャンピオンを倒して生きた証を残そうと理想に燃えるチェレンと対象的にすべての人間が強くなれるわけがないと言う真実を知ります。ゲームの設定上「ライバル」という立場なのですが,彼女は自分にはポケモンバトルの才能は無いという葛藤と苦悩が行く先々で垣間見えて,すごく魅力的なキャラなんですね。見た目もかわいいですし・・・・・。そんな彼女も旅の中で度々アララギ博士の手伝いをしており,旅を通して素晴らしい体験をさせてくれたポケモン達をもっと知りたいとアララギ博士の手伝いをするようになります。その時のベルはすごく楽しそうなんですよ。真実を知りつつも,自分なりの強さや出来ることを探した彼女も「ライバル」と呼ぶにふさわしい一人といえる。

ベルの手持ちのポケモン全員がおんがえしを覚えており,特にムーランドはタイプ一致で大変なことになることがあり,ヘタをすると自分の手持ちのポケモンが血祭りにあげられるという危険性を秘めた彼女も立派な世紀末覇者の1人である。

アニメでは,サトシにバッジケースを渡すアララギ博士の使いとして登場。ゲームでの「マイペース」「世間知らず」「箱入り娘」という部分を強調したキャラ造形であり,デントには「ヴィンテージ」アイリスには「箱入り娘」と評された。テンションが異常に高くかなりウザい。でもかわいいから許す。整理整頓が苦手らしく,バッグの中のバッジケースやモンスターボールは埃だらけで,某猫型ロボットの四次元ポケット並に汚い。彼女が登場する時は,必ずサトシにぶつかり,サトシをずぶ濡れにする。たとえそれが室内でも・・・・。初登場時の手持ちはチャオブーだけで,初心者にありがちなフルアタゴリ押し型だった。しかし,その攻めの姿勢は決して崩れることはなく,逆転勝利したこともあるため一概にクソガキトレーナーとは言えない。ぐぬぬ・・・

そんなチェレンやベルですが続編の2年後が舞台のBW2では,目標を見つけたようでチェレンは教師兼ジムリーダー、ベルはアララギ博士の助手をしながら学者の卵として,主人公の行く先々で先輩トレーナーとして主人公を助ける役目をしています。

感慨深いものがありますね~。BWの発売日が2010年9月18日、BW2の発売日は2012年6月23日でだいたい2年後なんですよ。BWをプレイした後に,2年後BW2をプレイするとイッシュ地方も2年後に進んでおり,ゲーフリもなんと粋なことするなぁと感心したものです。シリーズで世界観が繋がっているということは特別珍しいことでもないのですが,発売日も合わせることでゲーム内キャラと一緒に成長していく感覚になり,イッシュ地方を飽きさせない味付けになっている。

しかもですね,チェレンに至ってはジムリーダーになって初めての相手は主人公。2年前に切磋琢磨し,同じ旅をしてきたライバルが超えるべき最初の壁として立ちはだかるという熱い展開となっているのです。

エンディング後に前作「ポケモンBW」と「おもいでリンク」をすると,1番道路にベル,5番道路にチェレンが登場する。勝負に勝つと前作の主人公の話が聞ける

ポケモンと「トモダチ」となる英雄...その名はN

行く先々で出会う謎の青年。今作における主人公のライバルである。

ポケモンと話す不思議な力を持っており,ポケモンのことを「トモダチ」と呼び,「ポケモンは人間から開放すべきである」という独自思想を抱いており,自分の思想の正しさを確かめるため,幾度もなく主人公と対決する。

変わった思考や言い回し,そしてゲーム設定の「はやい」を選択しても,それよりも早口な会話スピードが特徴で不思議な魅力を持ち,数多くのプレイヤーを厨二病の道に引きずり込んだ,その独特なキャラクター性に惹かれた人も多いだろう。

しかし,彼の設定には初代ポケモンを彷彿とされる闇の深さが垣間見えるのです。

繋がる思い出,空白の2年間をあなたに・・・

今作では「おもいでリンク」という機能を使う事により,前作「ポケットモンスターブラック・ホワイト」とつなげることが出来る。それによりポケモンBWで登場した人達の空白の2年を見ることが出来ます。

この機能は画期的だと思いました。2年後からでも十分楽しめるのですけど,前作を遊んだ人達のためにこんなサプライズを仕掛けてくるとは・・・

しかも,ポケモンBW2では無く”前作”の進み具合で見れる思い出は変わって来るため,ちゃんとBWをクリアしないと全部みれないという仕様。どれも苦悩と葛藤が描かれているのですが,BW2ではすでに結末が見ているわけです。ですが,登場人物たちの2世代に渡って作り上げられた人物像がもたらす人間ドラマ。BWの伏線とBW2の結末,その2つを上手くつなげており,伏線や結末を知っているからこそ生まれる疑問を回収するつくりとなっており,神BGMも相まって泣いてしまうのですよ。

おもいでリンクに関してはネタバレを見ずに,自分の目で見ることをおすすめします。

Netflixでオススメ作品 

SHERLOCKは好きですが「HAPPY!」「ブラック・ミラー」は食わず嫌いをして見ていなかったのです。しかし,HAPPY!を恐る恐る見てみると斬新な設定で全体的にシリアスな展開が繰り広げられるのですが,主人公とその相棒の掛け合いが面白く,暗くなりすぎない味付けになっています。問題は「ブラック・ミラー」の方なんです。これは海外版「世にも奇妙な物語」と呼ばれていて,世にも奇妙な物語のSF版のすごいやつなんですね。このドラマは基本的に胸糞悪い終わり方なんですけど,人間の嫌な部分を上手く描かれており,基本的に全部オススメなんですが,個人的に気に入ったのは「The Waldo Moment(英語版)」「時の”クマ”、ウォルドー」です。この回の感想も”いつか”書こうと思います。

Netflixで公開されている「HAPPY!」「ブラック・ミラー」という海外ドラマをおすすめします。まぁとりあえずベネディクト・カンバーバッチ主演の「SHERLOCK」はすごく面白く間違いないと思います。シーズン4はちょっと変わっていますが、しっかりと最後は綺麗に終わらせているのでオススメです。

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